スタッフブログ
2026.09.25

内装の解体や什器の搬出が進んでも、屋上や壁面の高い位置に付いた看板だけが残る。テナントの退去では、この状態がよく起こります。理由は単純で、看板の撤去には高所作業の手配が要り、建物本体に手を入れるため貸主側の確認も必要になるからです。
退去日は決まっているのに工法と施工者が決まらなければ、明渡しが遅れ、賃料の精算にも影響します。看板の扱いは、内装解体の見積を取る段階ではなく、退去が決まった時点で確認しておく項目です。とくに屋上や外壁に固定された看板は、内装業者の見積範囲から外れており、そのまま抜け落ちます。
どこまで戻すかは、賃貸借契約書と、締結時に交わした工事区分表や原状回復に関する取り決めで決まります。看板についても、設置時の申請書類や覚書に、退去時に撤去して原状に復する旨が定められていることが一般的です。
実務では、看板本体の撤去だけでなく、取付金具やアンカーの扱い、配線と電源の処理、壁面の穴埋めと塗装の範囲までが論点になります。契約書の文言と、入居時に撮った写真が判断材料になります。
ビルの工事区分は、費用を誰が負担し、誰が施工者を決めるかの組み合わせで整理されるのが一般的です。おおまかには、貸主が費用を負担して貸主が発注するものをA工事、借主が費用を負担するが貸主が施工者を指定するものをB工事、借主が費用を負担して借主が施工者を選べるものをC工事と呼びます。
ただし、この呼び方と範囲はビルごとに異なり、法令で定められたものではありません。外壁や屋上に取り付いた看板は、建物本体や防水に関わるため、貸主が施工者を指定する扱いになることが多い部分です。まず工事区分表と契約書を確認してください。
撤去作業そのものより、周辺の条件で計画が止まることがあります。前面道路が狭く足場や高所作業車を置けない、屋上の使用にビル側の許可が要る、営業中のテナントの上で作業するため時間帯が限られる、といった事情です。
また、撤去してみて初めて下地の劣化や防水層の傷みが見つかることがあります。誰の負担で直すかを決めていないと、退去日の直前で調整が難航します。想定外の補修が出た場合の取り扱いは、着手前に貸主と借主の間で必ず確認してください。
ロープアクセス工法は、屋上等に支点を取り、メインロープとライフラインの二重系で降下して作業する方法です。足場もゴンドラも設置できない立地でも、看板を分割して降ろすことで撤去できます。足場の組立・解体・材料リースにかかる仮設費用が発生しないため、原状回復の費用も抑えられます。近隣への影響が小さく、他のテナントの営業を止めずに進められる点も、貸主の承認を得るうえで有利に働きます。
当社は高所看板の撤去を実際に行っています。施工実績は100件以上、最高施工高さは約50mで、ロープ高所作業の特別教育を修了した作業員が施工します。第三者への賠償、建物・設備への損害、施工対象の看板そのものの破損を対象とする保険にも加入しています。なお、重量のある看板を一体で吊り降ろす必要がある場合や支点が取れない構造では適さず、外壁の全面改修とあわせて撤去するように広い面積を長期間にわたって同時に施工する工事では、足場が適しています。
看板を外すと、アンカー穴、下地の色差、シーリングの跡が残ります。当社は撤去に続けて、穴埋め、シーリングの打ち直し、必要に応じた部分塗装まで同じ体制で行います。次のテナントが同じ位置に看板を出す予定であれば、下地を残したほうがよい場合もありますので、範囲は事前に確認してください。
穴埋めと防水処理は、後の漏水に直結します。撤去と補修を別々の会社に分けると、不具合が出たときに責任の所在が曖昧になります。同じ体制で続けて施工すれば、ロープを二度設置する必要もなく、費用と工程の両方で無駄が出ません。
進め方は、契約書と工事区分表の確認、貸主への撤去計画の提出、施工者の指定の有無の確認、屋上や共用部の使用申請、テナントと近隣への周知、作業日の確定という順になります。作業計画書、作業員名簿、保険の加入証明は、ご依頼を受けた時点で当社が用意します。
退去日から逆算すると、工事そのものより調整に時間を要します。日程だけを先に決めてしまわないことが、実務上の要点です。
看板の原状回復は、工法の問題である前に契約と調整の問題です。範囲は賃貸借契約書と工事区分表で決まり、施工者は貸主の指定を受ける場合があります。そのうえで、足場が架けられない建物ではロープアクセスが確実な手段になります。撤去から撤去後の壁面補修までは当社が実際に行っている業務です。退去が決まった段階で、範囲・区分・工法の三点を確認してください。
A. 賃貸借契約書と工事区分表によります。外壁や屋上に固定された看板は、建物本体や防水に関わるため、貸主が施工者を指定する扱いになることが多い部分です。まず契約書の原状回復条項と工事区分表をご確認ください。
A. 含めて対応します。アンカー穴の処理と防水の納まりは後の漏水に関わりますので、撤去と補修を同じ施工者で行うほうが責任の所在が明確です。仕上げをどこまで戻すかは、事前に貸主と取り決めておいてください。
A. ロープアクセスで対応します。屋上等に支点を確保できれば、看板を分割して降ろす手順で撤去できます。看板の構造と重量、屋上の状況を現地で確認したうえで、手順と工程をご提示します。
A. できます。時間帯と立入制限の調整が前提になりますが、建物を覆う仮設がない分、他のテナントへの影響は小さく収まります。作業直下の養生と誘導、事前周知を含めた計画を作成し、ビル側の承認を得てから着手します。
A. 看板の大きさと構造、設置高さ、到達手段、搬出経路、復旧の範囲で変わります。ロープアクセスであれば足場の仮設費用が発生しない分、確実に抑えられます。現地調査を行い、範囲を確定したうえでお見積りします。
A. ご相談ください。退去日、看板の位置と大きさ、契約上の原状回復の範囲、ビル側の指定業者の有無をお知らせいただければ、調整に要する時間を含めて、実施できる進め方をご説明します。
【監修】株式会社ミライベクトル 取締役社長 大平典男(中小企業診断士/MBA)
株式会社ミライベクトル(名古屋市守山区)。看板・広告業に携わり20年。ロープアクセス工法を看板施工に取り入れた、東海3県で最初の会社です。ロープ高所作業の特別教育を修了した作業員が施工を担当し、これまでの施工実績は100件以上、最高施工高さは約50mです。屋外広告業の登録と建設業許可を受けており、産業廃棄物収集運搬業の許可を愛知県・岐阜県・三重県で保有しています。第三者への賠償、施工対象となる建物への損害、施工した看板そのものの破損をカバーする保険に加入しています。看板の設計・製作・施工と高所作業を自社一貫で対応し、既存の看板の色に合わせるカラーマッチング、短納期のスピードプランにも対応します。(会社案内)