スタッフブログ
2026.04.16
看板屋 社長 / 中小企業診断士
大平 典男
こんにちは。看板屋の社長兼、中小企業診断士の大平典男です。
本日は、私たち看板業界、そして看板を活用して実店舗ビジネスを展開されるすべての経営者の方々に向けて、決して他人事ではないニュースについてお話ししたいと思います。
先日、業界メディアにて非常に考えさせられる記事が公開されました。
参考記事:大阪・道頓堀における屋外広告物の調査結果を公表。半数以上が不燃材料を未使用で、8割超が工作物確認申請を未取得等 / 看板経営
記事によると、大阪市が道頓堀川沿いの屋外広告物を調査した結果、高さ4mを超える等の理由で「工作物の確認申請」が必要な看板のうち、8割超(69件)が検査済証を確認できなかった(未取得)とのことです。
この「8割超が未取得」という数字を見て、同業の皆様はどう感じられたでしょうか。
看板屋の社長として現場の最前線に立つ私としては、非常に残念ながら「やはりまだ、そういう状況か」と納得せざるを得ない部分があります。
かつての看板業界では、郊外の道路沿いに建つ「野立て看板」などを中心に、本来であれば高さ4mを超える工作物として建築の確認申請を行わなければならないにもかかわらず、無申請で建ててしまうケースが少なからず存在しました。
「申請費用や構造計算の手間を省き、少しでも安く早くクライアントに提供するため」
「相見積もりで他社に価格で負けないため」
そういった業界特有の事情や悪しき慣習があったことは否めません。しかし、今回の道頓堀の調査結果が浮き彫りにしたのは、「その状況は令和の今になっても、根本的には変わっていない」という厳しい現実です。
ここで、中小企業診断士としての視点から申し上げます。
「今までバレなかったから大丈夫」「他もやっていないから」という旧態依然のやり方は、今後の企業経営において致命的なリスクになり得ます。
社会全体のコンプライアンス(法令遵守)に対する意識は、年々厳しさを増しています。今回の調査も、過去の痛ましいビル火災が背景にあり、行政の指導は今後ますます強化されていくでしょう。
看板を設置するクライアント(広告主)の立場になって考えてみてください。
自社の顔として掲げた看板が、実は違法建築だったとしたら。万が一、老朽化や災害で倒壊し、第三者に被害を及ぼすような事故が起きたら。企業のブランドイメージや社会的信用は一瞬にして失墜し、取り返しのつかない損害賠償問題に発展します。
私たち看板屋は、お客様のビジネスを「看板」というツールで支援する立場です。その私たちが、お客様にコンプライアンス違反という”見えない爆弾”を抱えさせてしまうことは、プロとしてあってはならないことです。
これからの看板づくりにおいて求められるのは、見栄えの良さや目先の安さだけではありません。
「適法であり、安全性が客観的に担保されていること」
これこそが、大前提となる価値です。
4m以上の看板において、建築の確認申請から検査済証の取得までを徹底し、適法な看板のみをご提案・施工する。これは、単なるコスト増や手間ではありません。クライアントの企業価値と社会的信用を守るための「必要な投資」であり、私たち看板屋が提供すべき「安心」という最大の付加価値です。
今回の調査結果は、看板業界全体に対する行政からの強いメッセージです。
私たち看板屋は、自らの襟を正し、コンプライアンスを遵守したクリーンな看板づくりへと完全にシフトしなければなりません。
そして、看板の設置を検討されている経営者の皆様。
看板業者を選ぶ際は、価格やデザインだけでなく、「適法な手続きをきちんと踏んでくれる業者か」を必ず確認してください。それが、自社のビジネスを守るための第一歩となります。
業界が抱える課題から目を背けず、お客様に真に信頼される看板をご提供していくこと。それが、看板屋であり中小企業診断士である私の使命だと考えています。