無足場工法・ブランコ工法・ロープアクセスの違い|発注前に整理したい用語と落とし穴 名古屋で看板制作・施工ならミライベクトル

スタッフブログ

無足場工法・ブランコ工法・ロープアクセスの違い|発注前に整理したい用語と落とし穴

2026.09.2

無足場工法・ブランコ工法・ロープアクセスの違い|発注前に整理したい用語と落とし穴

三つの言葉は同じものを指していない

無足場工法、ブランコ工法、ロープアクセスは、実務の会話でも見積書でもほぼ同じ意味で使われています。しかし指している範囲は違います。無足場工法は足場を組まない工法の総称、ブランコ工法は古くから使われてきた特定の作業方法、ロープアクセスはロープと器具で昇降と身体保持を行う体系を指します。

建物を管理する側にとって問題になるのは、言葉の正しさではなく、その言葉の裏でどの安全対策が取られているかが読み取れないことです。判断の軸は名称ではなく体制に置いてください。

なぜ用語が混同されるのか

理由は二つあります。ひとつは、これらの用語に法令上の定義がないことです。労働安全衛生規則が定めているのはロープ高所作業という作業の類型であって、工法の商業的な呼び名ではありません。もうひとつは、発注側に伝わりやすい言葉として無足場という表現が広く使われてきたことです。

その結果、同じ工事に対して三つの呼び名が併存し、見積書の工法名を見ても作業の中身が判別できない状態が生まれています。

無足場工法が指す範囲

無足場工法は、足場を組まずに高所作業を行う方法の総称です。ロープを使う方法だけでなく、高所作業車やゴンドラを用いる場合も含めて無足場と呼ばれます。総称であるため、この言葉だけでは作業員がどう身体を保持しているかは分かりません。

見積書に無足場工法とだけ書かれている場合、実際にはロープで降下するのか、高所作業車を手配するのかで、必要な準備も建物側の負担も変わります。地上のスペースを空ける必要があるのか、屋上への進入が必要なのかを確認してください。ロープで降下する方法であれば、前面道路を占有せずに施工できます。

ブランコ作業と呼ばれてきた方法

ブランコ作業は、板状の座板をロープで吊り、その上に座って作業する方法です。外壁の清掃や塗装で長く使われてきました。従来は一本のロープで身体を保持する形が一般的で、この点が現在の規則との差になります。

2016年1月1日に施行された労働安全衛生規則第539条の2から第539条の9では、ロープ高所作業について、作業に用いるメインロープとは別にライフラインを設けることが求められています。したがって、ロープ一本のみで身体を保持する形は現在の要求を満たしません。

ロープアクセスとの安全上の差

ロープアクセスは、メインロープとライフラインの二系統を前提とし、いずれかが機能を失っても墜落を制止できる考え方で組み立てられています。加えて規則は、作業計画の作成と関係労働者への周知、作業指揮者の指名、器具の作業前点検、作業箇所とその下方の調査と記録を求めています。

呼び名が何であれ、これらを満たしていれば規則上の要求は満たされます。逆に、名称をロープアクセスとしていても二系統が組まれていなければ要求を満たしません。名称ではなく体制で判断してください。

確認は難しくありません。作業計画書には使用する器具と支点の位置、ライフラインの設置方法、作業指揮者、作業の順序と方法が記載されます。提出を求めれば、体制が組まれているかは書面から読み取れます。当社は作業計画書を作成し、着手前にご提出しています。

法令はどの呼び名にも同じように適用される

規則が適用されるのは作業の実態に対してであり、業者が名乗る工法名に対してではありません。高さまたは深さが2メートル以上の箇所で作業床を設けることが困難なところにおいて、昇降器具で身体を保持しながら行う作業であれば、呼び名にかかわらず同じ規定が及びます。

特別教育についても同様です。労働安全衛生規則第36条第40号により、2016年7月1日から学科と実技の特別教育が必要とされています。当社ではこの特別教育を修了した作業員が施工を担当します。

発注時に起きやすい落とし穴

第一に、工法名だけで安全対策の中身を判断してしまうことです。足場の組立・解体・材料リースにかかる仮設費用が不要になるのは事実ですが、支点の設置、養生、立入禁止区画の管理は必要な作業です。これらが見積の項目に立っているかを確認してください。

第二に、工法名で相見積を比べてしまうことです。同じ無足場でも、二系統の有無、作業計画書の有無、点検記録の有無で中身は変わります。第三に、事故時の責任の所在を確認しないまま発注することです。民法第717条は土地の工作物等の占有者と所有者の責任を定めており、建物側にも管理の観点からの説明責任が生じ得ます。見積の段階で作業計画書と保険加入の有無を確認しておくことが実務的な備えになります。

まとめ

用語の違いは、指す範囲の違いと、想定される安全対策の違いです。判断すべきは呼び名ではなく、メインロープとライフラインの二系統、作業計画書、作業指揮者、点検記録、特別教育という五つの要素が書面で確認できるかどうかです。

当社は看板の設計施工とロープアクセスを一社で持ち、名古屋市守山区から東海3県に対応しています。看板の設置、撤去、安全点検、球替えやLED交換などの部分補修、高所の外壁調査を、足場を組まずに行っています。施工実績は100件以上、最高施工高さは約50mです。工法の呼び名で迷われている段階でもご相談ください。

よくある質問

Q1. ブランコ工法とロープアクセスは違うものと考えてよいですか?

A. 呼び名の違いというより、想定される安全対策の違いと考えてください。ロープ一本で身体を保持する従来型の方法は、メインロープとは別にライフラインを求める現在の規則の要求を満たしません。

Q2. 見積書に無足場工法とだけ書かれています。何を確認すべきですか?

A. メインロープとライフラインを二系統で設けるか、作業計画書を作成して提出できるか、作業指揮者を誰が務めるか、器具の点検記録を残しているか、特別教育の修了状況の五点をご確認ください。いずれも書面で示せるものです。

Q3. 法令上、正式な工法名はどれですか?

A. 労働安全衛生規則が定めているのはロープ高所作業という作業の類型であり、無足場工法やブランコ工法といった呼び名に法令上の定義はありません。

Q4. 古い工法だから危険という理解でよいですか?

A. 古さではなく、二系統の墜落制止措置が組まれているかどうかで判断してください。名称にかかわらず、規則の要求を満たしていなければ問題があります。

Q5. 建物の所有者側にも責任は生じますか?

A. 民法第717条は土地の工作物等の占有者と所有者の責任を定めています。工事の発注にあたっては、作業計画書と保険加入の有無を書面で確認しておくことが備えになります。

Q6. どの工法を選ぶべきか判断がつきません。

A. 現地の条件を伺えば、足場・高所作業車・ゴンドラを含めて比較のうえご説明します。看板の設置・撤去・点検・部分補修や外壁調査であれば、足場を組まずに施工でき、仮設費用も不要になります。工法が決まっていない段階でのご相談も承ります。

あわせて読みたい

【監修】株式会社ミライベクトル 取締役社長 大平典男(中小企業診断士/MBA)

株式会社ミライベクトル(名古屋市守山区)。看板・広告業に携わり20年。ロープアクセス工法を看板施工に取り入れた、東海3県で最初の会社です。ロープ高所作業の特別教育を修了した作業員が施工を担当し、これまでの施工実績は100件以上、最高施工高さは約50mです。屋外広告業の登録と建設業許可を受けており、産業廃棄物収集運搬業の許可を愛知県・岐阜県・三重県で保有しています。第三者への賠償、施工対象となる建物への損害、施工した看板そのものの破損をカバーする保険に加入しています。看板の設計・製作・施工と高所作業を自社一貫で対応し、既存の看板の色に合わせるカラーマッチング、短納期のスピードプランにも対応します。(会社案内