スタッフブログ
2026.08.7

大通りに面していない、駅から遠い、2階で目立たない。こうした条件を抱える経営者の多くは、「場所が悪いのだから仕方ない」と、偶然の来店を待つ営業になりがちです。
しかし看板は、店の前に置くものだとは限りません。人の流れの上流に置いて、見込み客を迎えに行くことができます。これが「攻めの立地集客」です。立地が悪い店舗の集客が店舗周辺の障壁を潰す話だったのに対し、この記事は店舗から離れた場所に仕掛ける話になります。
最初にやるのは、自店の商圏の再定義です。店の前を通る人だけがターゲットではありません。徒歩なら半径数百メートル、自転車なら1〜2キロ、車なら数分で移動できる範囲すべてが潜在的な市場です。
主な来店手段によって、考えるべき範囲は大きく変わります。駐車場がある郊外店なら車を前提に、駅前の店舗なら徒歩を前提に。まず自店の客がどうやって来ているかを確認するところから始めます。
商圏が決まったら、地図を広げて人が集まる拠点を書き出します。駅、大型商業施設、学校、病院、大きな駐車場、幹線道路の交差点。そこから自店に向かって、人がどの道を通るかを線で引きます。
この作業は、机上だけで完結させないでください。実際にその道を歩いてみると、地図では分からない要素――信号待ちで立ち止まる場所、視界が開ける地点、逆に建物で遮られる区間――が見えてきます。看板が効くのは、まさにそうした「人が立ち止まる」「視界が開ける」地点です。
流れが把握できたら、その動線上に案内看板を設置します。大通りの交差点、ターゲット層が多く歩く道沿いの壁面、駐車場の出入口。「この先50m右折、こだわりの隠れ家空間」といった具体的な案内を出します。
重要なのは、案内を途切れさせないことです。曲がり角が2つあるなら、2か所とも案内が必要です。途中で情報が切れると、多くの人はそこで探すのをやめます。人の流れの起点から店舗まで、判断が必要な地点をすべて埋めるつもりで配置してください。
店舗の敷地外に看板を出す場合、土地所有者の承諾に加えて、自治体の屋外広告物条例に基づく許可が必要になることがあります。歩道上や道路にかかる場合は、道路占用許可や道路使用許可も関わります。
無許可の看板は撤去指導の対象になるほか、事故が起きた際の責任問題にも直結します。設置場所の候補が固まった段階で、必要な手続きを確認しておいてください。当社では申請の代行も承っています。
誘導看板の価値は、継続性にあります。チラシのポスティングやWeb広告は、費用を止めれば効果も止まります。看板は、適切な場所に一度設置すれば、その後は24時間、見込み客を誘導し続けます。
月額の広告費と、看板の設置費用を年単位で比べてみてください。立地の不利を補うための投資として、費用対効果の面では有利になるケースが少なくありません。
立地の悪さは、動線を読み解くことで相当な部分まで補えます。商圏を定義し、人の流れを地図に描き、判断が必要な地点に案内を置く。店の前で待つのをやめて、上流まで迎えに行く。この発想の転換が、悪立地の店舗にとって最も効果の大きい一手になります。
A. 人の流れの起点から店舗までの間で、進路の判断が必要になる地点の数が目安です。曲がり角が2つあれば最低2枚。途中で案内が途切れると、そこで引き返されてしまいます。
A. まず土地所有者の承諾を得たうえで、自治体の屋外広告物条例に基づく許可が必要になる場合があります。賃料の取り決めも含め、書面での取り交わしをおすすめします。手続きのご相談も承っています。
A. 自己の敷地内であっても、大きさや高さによっては屋外広告物条例の許可が必要です。また高さ4mを超える広告塔・広告板は建築基準法上の工作物として確認申請の対象になります。サイズが決まった段階でご確認ください。
A. まずはご自身で歩いてみることをおすすめします。地図アプリでは分からない、視界の抜けや立ち止まる場所は、現地でしか把握できません。そのうえで設置場所の判断に迷う場合はご相談ください。
A. 目的が違うため一概には言えません。Web広告は「探している人」に届き、誘導看板は「近くにいるが知らない人」に届きます。地域密着型の店舗では、両方を併用している例が多く見られます。
A. サイズ、構造、基礎工事の要否、設置場所の条件によって幅が大きく変わります。自立看板は基礎工事が必要になるため、壁面への取り付けより費用がかかります。現地を確認したうえでお見積りいたします。
【監修】株式会社ミライベクトル 取締役社長 大平典男(中小企業診断士/MBA)
看板・広告業に携わり20年。名古屋市守山区を拠点に、東海3県で看板の企画・デザイン・製作・施工を自社一貫で行っています。経営に関するご相談も承っております。(会社案内)