スタッフブログ
2026.08.19

店先の照明を検討するとき、多くの方が明るさを気にされますが、お店の印象を左右するのは光の色のほうです。同じ看板でも、オレンジ色の光で照らすか青白い光で照らすかで、伝わる雰囲気はまったく変わります。看板のデザインと光の色がちぐはぐだと、お客様は理由の分からない違和感を持ちます。照明を選ぶ順番は、色を決めてから明るさを詰めるのが基本です。
光の色は色温度という指標で表され、単位はケルビン(K)です。数値が低いほど赤みのある温かい光になり、高いほど青みを帯びた白い光になります。照明器具やLEDの仕様書には必ず記載があるので、購入前に確認できます。感覚的な言葉ではなく数値で指定できるため、複数の照明を揃えるときや、後から交換するときの目安として使いやすい指標です。

3000K前後の電球色は、夕暮れに近いオレンジがかった光です。人の肌をやわらかく見せ、落ち着いた気分にさせる働きがあるため、居酒屋やバー、カフェ、料理店、マッサージサロン、リラクゼーションサロンなど、くつろぎや癒やしを提供するお店に向いています。木材や真鍮といった素材とも相性がよく、質感を引き立てます。
一方で、電球色は細かい文字が読みにくくなったり、料理や商品の色が実際と違って見えたりすることがあります。メニュー表や料金表を掲示する部分だけは、少し色温度の高い光を足して読みやすさを確保するといった使い分けをすると、雰囲気と実用性の両立がしやすくなります。
5000K前後の昼白色は、昼間の自然光に近い白い光です。ものが本来の色に近く見えるため、鮮度や清潔感、明るさを打ち出したいお店に適しています。生鮮を扱う小売店、パン屋、クリニックや歯科医院、整体院、学習塾や教室など、信頼感と分かりやすさを重視する業種で選ばれることの多い色温度です。
看板を照らす目的でも扱いやすい色温度です。白地の看板を電球色で照らすと全体が黄ばんで見えることがありますが、昼白色であれば図面で決めた色に近い状態のまま見せられます。企業カラーやロゴの色を正しく伝えたい場合にも向いています。夜になっても昼と同じ印象を保ちたいお店であれば、まず検討したい選択肢です。
6500Kを超える昼光色は、青みの強いシャープな光です。先進的な印象やクールな世界観を出したいアパレル、美容、テクノロジー系のサービスなどで効果を発揮します。ただし、夜の街並みの中では冷たく硬い印象になりやすく、飲食や癒やし系のお店で使うと、居心地の悪さにつながることがあります。演出として部分的に使う程度に留めるのが無難です。
見落とされがちですが、看板の色は照らす光の色温度によって見え方が変わります。昼間に確認した塗装色やシートの色が、夜に電球色で照らされると別の色に見える、というのはよくあることです。特に青系や緑系の寒色は、温かい光の下では沈んで見えます。同じ色でも、当てる光を変えるだけで印象が動くと考えておいてください。
既存の看板に合わせて新しい看板を追加する場合や、複数の看板を並べる場合は、昼と夜の両方で色が揃っているかを確認しておくと安心です。当社では既存看板の色に合わせるカラーマッチングにも対応していますので、色の見え方が気になる場合はご相談ください。
色温度は、お店が売っている価値と光の印象を一致させるための道具です。くつろぎを売るなら3000K前後、鮮度と清潔感を売るなら5000K前後が出発点になります。看板、店先、店内の色温度がばらばらだと全体の印象がぼやけるため、まずは現在使っている照明のケルビン数を確認し、お店のコンセプトと合っているかを見直してみてください。
A. 目的を分けて使うのであれば問題ありません。全体の雰囲気は電球色でつくり、メニュー表や料金表など読ませたい部分だけ昼白色にする、といった使い分けはよく行われます。避けたいのは、同じ面を照らす照明の色がばらばらになっている状態で、まとまりのない印象になります。
A. 仕様欄に「電球色」「昼白色」といった名称と、3000K・5000Kのようなケルビン数が併記されていることがほとんどです。同じ名称でも製品によって数値に幅があるため、既存の照明と揃えたい場合はケルビン数まで確認して選ぶと差が出にくくなります。
A. 外から見たときに一続きに見える範囲は、揃えたほうがまとまります。店先の照明が電球色なのに店内が青白いと、入り口で印象が切り替わってしまいます。厨房や作業スペースなど、外から見えない部分まで無理に揃える必要はありません。
A. 器具の形式によります。ランプ交換だけで色温度を変えられるものもあれば、器具一体型で本体交換が必要なものもあります。将来的に変える可能性があるなら、購入時にランプ交換ができるタイプかどうかを確認しておくと選択肢が残ります。
A. 昼は太陽光、夜は照明の光で見ているためです。太陽光は時間帯によって色温度が変わりますし、夜は照明の色がそのまま看板の色に影響します。昼と夜で見せたい印象が異なる場合は、それぞれの時間帯を想定して配色と照明を決めることになります。
A. 業種だけでなく、周辺の街灯の色や隣接する建物の明るさによっても最適な色温度は変わります。当社では現地で夜の状況を確認したうえで、看板の配色と照明の組み合わせをご提案しています。既存の看板を活かせるかどうかも含めてお伝えできます。
【監修】株式会社ミライベクトル 取締役社長 大平典男(中小企業診断士/MBA)
看板・広告業に携わり20年。名古屋市守山区を拠点に、東海3県で看板の企画・デザイン・製作・施工を自社一貫で行っています。経営に関するご相談も承っております。(会社案内)