スタッフブログ
2026.08.12

お客様が徒歩で来るのか、自転車なのか、車なのかによって、お店が狙うべき商圏の広さは大きく変わります。そして見落とされがちなのが、移動スピードによって看板から読み取れる情報量そのものが変わるという点です。同じデザインの看板でも、歩いている人には読めて、走っている車からはまったく読めないということが起こります。まずは自店の主なお客様がどう移動しているかを確かめるところから始めます。
歩く速さは時速4キロほどで、看板の前を通り過ぎるまでに数秒から十数秒の余裕があります。そのため、店の近くまで来れば、メニューやこだわりの説明、店内の写真などをじっくり眺めてもらえます。素材のこだわりやランチの内容など、足を止めて読んでもらいたい情報は、入口付近のスタンド看板やウィンドウサインに載せると効果的です。
時速40キロから60キロで走りながら運転に集中しているドライバーにとって、看板が視界に入る時間はごくわずかです。この短い時間で長い説明文を読ませることはできません。車に向けた看板は、遠くからでも一瞬で何の店か分かる大きな文字と、目を引くロゴまで絞り込むのが基本になります。
そのうえで、駐車場の有無や「この先左折」といった、運転中の方がいちばん知りたい情報を添えます。看板の面積は限られていますので、要素を足すほど一つひとつは小さくなります。車向けの看板づくりでは、何を載せるかを決めることよりも、何を載せないかを決めることのほうが大切になります。
自転車は歩行者より速く進みますが、気になる店があればすぐに止まれる機動性があります。短い言葉で興味を引き、店頭で詳しい情報を伝えるという二段構えが向いています。住宅街の店舗や、駅から少し離れた立地では、自転車で来店する層が想像以上に多いこともあります。

徒歩が中心の店舗であれば商圏は店の周囲に限られ、自転車ならもう少し広がり、車が中心なら幹線道路沿いの遠方まで広がります。商圏が広い店舗ほど、店前の看板だけでは足りず、手前の道路沿いに案内を置く設計が必要になります。逆に徒歩中心の店舗が遠方向けの大型看板に費用をかけても、来店にはつながりにくくなります。
難しい調査は要りません。来店されたお客様に「今日はどちらから来られましたか」と尋ねる、駐車場や駐輪場の利用状況を1週間分だけ記録する、店の前を通る歩行者と車の数を時間帯ごとに数える。この3つを続ければ、来店客の移動手段のおおよその割合はつかめます。曜日によって傾向が変わることもありますので、平日と休日の両方を見ておきます。
割合が分かったら、看板の予算配分もそれに合わせて考えます。来店客の多くが車で来られる店舗であれば、道路から見える位置と文字の大きさに費用を寄せるほうが、店頭の細かい造作に費やすより効果を期待できます。反対に徒歩の来店が中心なら、店前で足を止めてもらう工夫に重点を置くほうが自然です。
よくある失敗は、歩行者にも運転者にも読ませようとして、大きな文字と小さな説明文を一枚に同居させることです。結果として、遠くからは何の店か分からず、近くでは文字が大きすぎて読みにくい看板になります。移動手段ごとに看板の役割を分け、それぞれに必要な情報だけを載せてください。
看板は、ターゲットがどのスピードで前を通るかによって設計が変わります。徒歩なら読ませる、車なら一瞬で分からせる、自転車はその中間と役割を整理し、看板の大きさ、文字量、設置する高さを合わせていきます。まずは自店のお客様の移動手段を把握することが出発点です。どの看板にどこまで載せるか迷われたときは、現地の状況を確認したうえでご提案しています。
A. 走行速度と、看板までの距離によって必要な大きさは変わります。速度が上がるほど視認できる時間が短くなるため、文字は大きく、情報量は少なくする必要があります。設置場所の道路状況を確認したうえで、必要なサイズをご提案しています。
A. 来店客の移動手段が分かれている店舗では、役割を分けて両方を用意するほうが結果的に伝わります。ただし予算には限りがありますので、まずは来店の多い側から整えて、効果を見ながら追加する進め方が現実的です。
A. 車で来る方が多い業種では、駐車場の有無は入店を決める大きな判断材料になります。台数や入口の位置まで書いておくと、通り過ぎてから戻る手間を減らせます。
A. 走りながら短い言葉で興味を持ってもらい、止まってから詳しい情報を読んでもらう組み合わせが向いています。のぼり旗や壁面のサインで気づかせ、店頭のスタンド看板で内容を伝える形が使いやすいでしょう。
A. 効果を保証できるものではありません。通行量が多くても、自店の客層と合っていなければ来店にはつながりにくくなります。まずは誰に見せたいのかを決めてから、位置と大きさを検討してください。
A. 来店客の移動手段や周辺道路の状況によって、適した看板は変わります。ミライベクトルでは現地を確認したうえで、看板の種類とサイズをご提案しています。既存の看板を活かせる場合はその方法もあわせてお伝えします。
【監修】株式会社ミライベクトル 取締役社長 大平典男(中小企業診断士/MBA)
看板・広告業に携わり20年。名古屋市守山区を拠点に、東海3県で看板の企画・デザイン・製作・施工を自社一貫で行っています。経営に関するご相談も承っております。(会社案内)