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2026.09.30

外壁の全面打診等について、無人航空機を使った赤外線調査を検討する建物が増えています。根拠となっているのは、令和4年1月18日の告示改正です。この改正により、全面的な打診等の方法として、無人航空機による赤外線調査で、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが認められました。
重要なのは後半の条件です。無人航空機を飛ばして赤外線で撮影すれば、それだけで打診の代わりになるという内容ではありません。ここを取り違えたまま発注すると、調査の後に範囲の不足が判明することがあります。
外装仕上げ材の調査方法は、平成20年国土交通省告示第282号に定められており、概ね6か月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等と、概ね10年に一度の、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分についての全面的な打診等という二段構えです。無人航空機による赤外線調査が関わるのは、後者の全面打診等の部分です。
なお、対象となる建築物や報告の時期は、所在地の特定行政庁が指定しています。工法の検討に入る前に、まずそちらを確認してください。
同等以上の精度を確保するための考え方は、日本建築防災協会が策定したガイドラインに整理されています。撮影の条件、機材の性能、判定の方法、実施する技術者の要件、報告書に記載する内容といった項目が対象です。
実務では、ガイドラインに沿って実施できる事業者かどうか、撮影当日の条件が要件を満たしたかどうか、判定が困難だった部分をどう扱うかが確認事項になります。ドローンで撮影したという事実だけでは、要件を満たしたことにはなりません。
赤外線調査は、外壁表面の温度差から仕上げ材の浮きの可能性を推定する方法です。仕上げ材の裏側に空隙があると、日射を受けたときや放熱するときの温度の変化に差が生じる、という性質を利用しています。
このため、日射の当たり方、外気温の変化、風、降雨後の含水、外装材の色や種類、撮影の距離と角度、周辺の建物や設備からの反射といった条件の影響を受けます。北面や日陰になる面、隣の建物が近接している面では、条件が整わないこともあります。
周辺の人通りや交通量が多い、隣地との距離が近い、上空に架線がある、風が強く吹き抜ける、飛行にあたって必要な手続きや周辺への周知が難しい。こうした条件では、機材の性能とは別の理由で実施が難しくなります。
撮影のタイミングを条件の良い時間帯に合わせる必要もあるため、日程の自由度は高くありません。天候によっては延期の判断も生じます。
実際の建物では、赤外線調査で全体を把握し、条件が整わなかった面や判定が困難だった部分を打診で確認する、という組み合わせが現実的です。低層部や庇まわりは、人が近づいて確認したほうが早い場合もあります。
打診には、音の違いから浮きを直接確認できるという特徴があり、赤外線には、到達手段を設けずに広い面を短時間で記録できるという特徴があります。どちらかが常に上位ということはありません。ロープアクセスも同様で、支点が取れない建物では使えず、万能な工法は存在しないという前提で計画するのが確実です。
ガイドラインに沿った実施であるか。撮影条件と実施日の記録が報告書に含まれるか。判定できなかった範囲をどう扱うか。その範囲を打診で補う場合、誰がどう手配するか。この四点を先に確認しておくと、調査後の手戻りが減ります。
費用は建物条件によって変わります。対象範囲と報告書の内容を揃えないまま金額だけを比べても、判断材料にはなりません。当社は東海3県で、ロープアクセスによる高所の外壁調査を行っています。ロープ高所作業の特別教育を修了した作業員が施工し、赤外線調査で判定が難しかった面だけを打診で補う進め方にも対応します。足場を組まずに対象の面へ降下できるため、補完のための仮設費用はかかりません。
令和4年1月18日の告示改正により、無人航空機による赤外線調査は、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有する場合に、全面打診等の方法として認められています。精度の要件を満たすことが前提であり、天候や建物の条件によっては成立しない面も出ます。打診と赤外線を対立させるのではなく、建物の条件に応じて組み合わせる前提で検討してください。
A. テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有することが条件です。条件が整わない面や判定が困難な部分が出た場合は、その範囲を別の方法で確認する必要があります。全面を一律に置き換えられると考えないほうが確実です。
A. 令和4年1月18日の告示改正です。全面的な打診等の方法として、無人航空機による赤外線調査で、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが位置づけられました。実施に関するガイドラインは日本建築防災協会が策定しています。
A. 日射が当たりにくい面、隣接建物が近く反射の影響を受ける面、撮影距離や角度を確保できない面、降雨後で含水の影響が残る状態などです。事前に建物の方位と周辺状況を確認しておくと、計画が立てやすくなります。
A. 足場、ゴンドラ、高所作業車、ロープアクセスといった到達手段による打診を検討することになります。面ごとに工法を分ける計画も一般的です。
A. 建物の高さ、面数、対象範囲、周辺条件によって幅がありますので、一律には比較できません。範囲と報告書の内容を揃えたうえで、現地調査のうえお見積りします。
A. 対応します。屋上で支点を確保できる建物であれば、ロープアクセスで対象の面だけを打診します。足場を組む必要がないため、補完の調査に仮設費用は発生しません。対象範囲と建物条件を現地で確認したうえで、進め方をご提案します。
【監修】株式会社ミライベクトル 取締役社長 大平典男(中小企業診断士/MBA)
株式会社ミライベクトル(名古屋市守山区)。看板・広告業に携わり20年。ロープアクセス工法を看板施工に取り入れた、東海3県で最初の会社です。ロープ高所作業の特別教育を修了した作業員が施工を担当し、これまでの施工実績は100件以上、最高施工高さは約50mです。屋外広告業の登録と建設業許可を受けており、産業廃棄物収集運搬業の許可を愛知県・岐阜県・三重県で保有しています。第三者への賠償、施工対象となる建物への損害、施工した看板そのものの破損をカバーする保険に加入しています。看板の設計・製作・施工と高所作業を自社一貫で対応し、既存の看板の色に合わせるカラーマッチング、短納期のスピードプランにも対応します。(会社案内 /company/)